2.12 望遠レンズ

これからは、レンズの焦点距離による描写の特性についてお話します。まずは飛行機撮影には必須の望遠レンズからです。このレンズは遠くのものを大きく写すためのもので、カメラのキットレンズにある小さく安価なものもありますが、大口径超望遠レンズとなるとレンズだけで4kg以上あり、価格も7桁に跳ね上がります。

一応85mm〜100mmぐらいの焦点距離のレンズを中望遠135mm〜300mmを望遠400mm以上を超望遠と言いますが、いずれにしても遠くの被写体を大きく写すためのレンズです。焦点距離が伸びるほど被写体と背景の圧縮効果が顕著になり、背景との距離感がなくなります。一方で背景のボケが大きくなり、被写体が浮かび上がってきます。

レンズの標記はフルサイズが前提ですから、イメージセンサーがAPS-Cならレンズの焦点距離を1.5倍〜1.6倍して換算してください。ただし、背景のボケは元のレンズのままですから、同じ画角ならば、APS-Cで撮影する方がピントの合う範囲が広がります。(=ボケの量が少ない。)ここでの説明は、レンズの表記(フルサイズ)を前提にしていますので、ご容赦ください。

感覚的には焦点距離300mmぐらいの望遠レンズが、旅客機撮影の場合の標準レンズになります。価格的にも扱い易さの点からも、300mm前後をカバーする望遠レンズからはじめると良いと思います。航空祭など戦闘機を撮る場合には、500mmぐらいの超望遠レンズを標準レンズとしてください。

※ここで言う「標準レンズ」とは、撮影目的に応じて基準となる焦点距離のレンズと理解してください。

あとは撮影するポイントによって必要となる焦点距離が決まります。例えば千里川土手なら別に望遠レンズなんてなくても普通の標準ズームがあれば撮影できます。それでも撮影できる範囲を広げるためには、300mmぐらいの望遠レンズがあった方が便利でしょう。

覚えて欲しいのが、焦点距離100mmだと太陽や月がイメージセンサー上で1mmの大きさで写ります。イメージセンサーが36mm×24mmだとして、太陽や月を画面一杯に写すためには焦点距離2000mm程度を確保すればよいことになります。

こうした撮影のために、焦点距離を延ばすアイテムとして、コンバージョンレンズがあります。キヤノンだとエクステンダーと呼んでいますが、望遠レンズとカメラの間に付けて、焦点距離を1.4倍や2倍に延ばします。

ただし、開放f値は1絞りまたは2絞り暗くなり、元のレンズよりも画質が劣化しますので、通常は1.4倍のものを使う方が良いと思います。夕日を背景にする場合など、画質云々よりも撮るだけで・・・と言う場合に2倍を使うと考えて良いでしょう。

※エクステンダーもIII型となり、2倍のエクステンダーでも大口径望遠、超望遠レンズでは画質に問題を感じること無く使うことが出来ます。絞り開放がF8になるとAFに制約がありますが、今後発売されるカメラでは絞り開放F8でも制約無くAFが使えそうで、これは楽しみです。

このようなことを考えながらレンズを選択すれば良いと思います。

交換レンズは、こういう「絵」が撮りたいって思ったときに必要になるものです。次第に他の人とは違う絵を求めて望遠レンズの焦点距離が伸びていきますので、資金的にもご注意ください。

※3000万画素など高画素のカメラを持っていれば、後からトリミングという手段もあります。これらを組み合わせていくのがデジタル時代なのかもしれません。

開放f値は、f4〜f5.6までが望ましいです。最近のズームレンズで開放がf6.3のものもありますが、AFのスピードや精度にも影響があります。また、ズームレンズでは結局1絞り程度絞らないと画質的に問題がある場合も多く、開放がf5.6のものは実質f8と思ってもらってもよいです。

撮影のコツは、手持ちが中心になりますので、フルサイズで1/焦点距離以上のシャッタースピードを心がけ、腰を中心に飛行機を追いかけることと、一脚や三脚を上手に使うことです。一脚や三脚の場合は、自由雲台や油圧雲台を購入して、ねじを締めずフリーにした状態で飛行機を追いかけます。手持ちができない場合に有効です。

※500mmや700mm程度は手持ちです。シャッタースピードを稼げばなんとかなります。それでも三脚があればブレの確率が減りますので、撮影意図に合わせて使い分けてください。

最近は夜景を撮るケースも増えて来ました。カメラの性能も上がってきて、ISO3200や6400が当たり前のように使える時代です。こうした状況で撮影するためには、やはり大口径望遠レンズ、大口径超望遠レンズが必要となってきます。

その場合、それに応じたカメラや三脚や雲台も用意しないといけません。是非ともこのクラスを使い込んで欲しいと思いますが、当面は300/2.8や100-400/4-5.6をなんとか使えるレベルの準備(=アクセサリーの用意)をしておけば良いと思います。

その他にもレンズの特性を活かした使い方としては、遠くの被写体を大きく写すのではなく、近くの被写体の一部を大きくクローズアップする方がインパクトがあります。

紹介の文章とは相反しますが、近くのものをより大きく撮影するレンズと理解したいです。(^_^)v