2.7 絞りの効果
09-05-31_5D_IMG_1478DPPNHP.JPG

飛行機を撮影するときにこれぐらいの露出でいこうって決めたとしても、絞り、シャッタースピード、そしてISO感度をどのように決めたら良いのか、何を優先して設定すべきか、これを理解しなければなりません。

ということで、まずは絞りの効果です。

絞りは、1.レンズに入ってくる光の量を加減するという役割の他に、2.ピントが合う範囲を調節する機能があります。簡単に言えば、絞りを絞る、すなわちf値の数が大きい方、f11やf14の方へ絞っていくと、ピントが合っている範囲が広がります。

この効果は、望遠レンズよりも広角レンズに著しく、例えば焦点距離28mmで絞りをf8にして、ピントの位置を3mに固定すると、おおよそ1.5mの距離から無限遠までピントが合った状態(パンフォーカス)になります。

厳密に言うと、ピントの合っている位置は、3mの地点だけですが、人がみてピントが合っていると許容出来る範囲が手前1.5m〜無限遠まであるということです。

ということは、飛行機を撮っていて広角を使うときはそこそこ絞れば無限遠までピントが合いますので、オートフォーカス(AF)なんて不要ってことです。

すなわち、AFフレームを被写体にずっと合わせておくという制約から解き放たれますので、画面のどこに飛行機を入れても大丈夫です。構図を決めるうえで大事なことですから、マニュアルフォーカス(MF)に設定してパンフォーカスを楽しんでください。

厳密にはレンズによってバラツキがありますが、おおよそ次の表の通りです。
見方としては、焦点距離が28mmの場合、f8に絞りを設定し、距離を3.0mに合わせると、その半分の1.5mから無限遠までピントが合うという表です。
焦点距離/絞り値 f5.6 f8 f11 f16
50mm 13.8m 9.6m 6.9m 4.7m
35mm 6.8m 4.7m 3.4m 2.3m
28mm 4.3m 3.0m 2.1m 1.8m
24mm 3.2m 2.2m 1.6m 1.1m
20mm 2.2m 1.5m 1.1m 0.8m

オートフォーカス(AF)時代になって、レンズの距離目盛りが省略されている安価なレンズもあります。こういうレンズでは距離を決めにくいと思います。もっとも、高級なレンズでも距離計の表示が、0.5m,1mあとは無限大だけなんて場合もあります。まあ、この辺りは適当に目分量で計って挑戦すれば良いと思います。(‥ゞ

望遠レンズでも絞りの効果があります。近づいて絞りを開けるとピントの合う範囲が狭くなって、背景がきれいにぼけるというものです。昔のポートレートの定番ですね。

飛行機は無限遠近くで撮影することが多く、あまりこの絞りの効果を生かし切れませんが、背景との距離によっては少し考慮した方が良いときもあります。プロカメラマンの撮影データを確認すると、背景を少しでもくっきり写すために望遠レンズであっても絞っていたケースもありました。こういうところにも気配りされているのだなぁと妙に感心したものでした。

その他にも絞りには、3.レンズの性能を改善するという効能があります。レンズ開放F値から3絞りぐらい絞ったf値が一番レンズの性能を引き出すなんて話を聞いたことがありますが、まあ、レンズ開放で性能的に使い難いレンズであっても、1絞り絞るとかなり改善されることが多いです。

例えば旧型のEF100-400/4.5-5.6 L ISなんてレンズは、通常f7.1からf8の絞り値で使っています。周辺光量の低下があって、開放ではちょっと使い難いという感じです。II型になっても、画質はともかく周辺光量の低下があって、f7.1ぐらいには絞って使っています。

デジタル時代になって、画質に影響するのが絞りすぎ。f22とかf32とか絞っていくと光の回折の影響が出て却ってレンズの性能が低下するというものです。勿論、イメージセンサー上のゴミも写りやすくなりますので、あまり絞り過ぎない方が良いと思います。

そうそう、人がみてピントが合っていると許容出来る範囲は、ピントを合わせた位置より手前の部分が短く、後ろの部分が長いので、奥行きが4〜5列ぐらいの団体の記念撮影などの場合は、2列目ぐらいにピントを合わせておく方が無難です。