2.4 露出その3
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飛行機の写真を撮る。夕日に照らされた機体は輝き、夕日は山際に沈んでいく。フォトジェニックな瞬間。あなたはどのようなイメージで撮影しますか。

夕日を撮るときの鉄則は、太陽を外して周りの空で測光し、露出を決定する。空に露出を合わせることで、露出不足気味となり夕焼けが一層強調される。飛行機は黒くつぶれるが、それもやむなし。

真っ赤な夕焼けにシルエットで存在感を出すのも一つの方法です。

かなり太陽も沈んできたので、逆にできるだけ明るく露出を決めて、飛行機のカラーリングを残す。夕焼けの色は浅くなるけれども、機体に当たる微妙な光線具合を楽しむ。飛行機がたとえ山陰に入っても、飛行機も背景も黒くつぶれていないので、ちゃんとした写真になる。

こうしたイメージで撮るのも一つの方法です。

どちらがよいかは、人それぞれの感性で、どっちでも絵として完成されていれば問題ない。優劣の問題ではなくて、私がどちらを選択して撮るかという意図の話です。よって前回はちゃんと写すための方法として「標準露出」のお話をしましたが、今回は「適正露出」のお話をします。

何が「適正」って言うの?っていう疑問はもっともですが、要は自分のイメージに合わせて露出をコントロールし、それが作画意図に合致していれば良い。「標準露出」なんてくそくらえ!「適正露出」は作画の数だけあるんだ!っていうお話です。

飛行機の写真を撮っていますが、結局風景写真の中に飛行機が入っている写真と捉えることもできます。光源は太陽光1灯で、時間によって位置が変わり色も変わる。

その中で、飛行機がどのように進入してくるかを考え、自分のポジションを決め、ひたすら飛行機がやってくるのを待ちます。そして、どのような露出で挑むのか、時と場合によっては必死で考えなければなりません。

写真に写る輝度の範囲は約6絞り程度と言われています。デジタルデータとしては、特に暗部の情報はかなり持っていると聞きますが、プリントで表現できる範囲がその程度ですので、設定した露出のプラスマイナス3絞り分が写真に写っていると考えてください。(プラス2絞りと2/3、マイナス3絞り1/3と言う人もいます。今のデジタルカメラは高輝度補正などを使えば結構明るい部分もデータを残しますので、6絞りよりは少し広い範囲が写ると感じています。)

ところが自然界の輝度差は20絞りを超えると言いますので、その中のたったの6絞り分だけを写真として定着していることになります。よって残りの部分は真っ黒か真っ白になって切り捨てられています。

実は、写真表現は、この切り捨てられた14絞り分の情報を、いかにうまく切り捨てるか、ここにあると思います。よく「絵は足し算、写真は引き算。」と言いますが、構図を考え不要な部分をカットするだけでなく、露出コントロールで不要な部分をカットする(=黒く潰す、白く飛ばす。)ことも含まれていると、最近気が付きました。

風景のなかで、どの場所が黒く潰れるか、白く飛ぶかを調べる方法は、マニュアル(M)モードとスポット測光(または部分測光)の組み合わせが便利です。

測光方法については後述しますが、測光する範囲を絞ってそれぞれの場所を測光していきます。マニュアル(M)で設定した当初の絞りとシャッタースピードを基準として、プラス3絞りオーバーの部分が白飛びし、マイナス3絞りアンダーの部分が黒く潰れることになります。

これでおおよそ写る範囲を理解して、場合によっては微調整を加えることになります。解りにくければ試し撮りして写っている範囲を確認します。(=写っていない部分の確認です。)

こうしてイメージする自分の露出に近づけていきます。勿論自然界ですから上手くいかないこともありますが、その時はまた別のイメージを考えれば良いだけのこと。

特に高輝度のもの、太陽だとか建物の反射とかがあるときは色々考えることができて楽しいです。極端な露出をすると、思ってもいなかった色が出たり、微妙な濃淡が写っていたり、なんか「へぇー」って発見があります。そうそう、別に解が1つだけでないので、イメージに合わせて数パターン撮ってみるのも良いと思います。

デジタルになって、こんな色々な挑戦が気軽にできるようになったと思います。セオリーにとらわれず、まず撮ってみる。この姿勢が大事と感じます。