2.3 露出その2
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写真サークルの一団と一緒にいると、先生と覚しき人が「絞りは5.6ぐらい、シャッタースピードは1/500秒ぐらいに合わせてください。オートの人は露出補正はプラス1してください。ISOは200ですよ〜。」なんて説明されているときがあります。

おそらく先生の言葉を信じて撮れば、ちゃんと写真は写ると思いますが、露出をコントロールするのは自分です。早くこんな呪縛から解き放たれましょう。(‥ゞ

昔は写真をちゃんと撮ることが難しかったので、カメラを向けてシャッターを切っても真っ黒なコマがあったり、真っ白なコマがあったりして頭を悩ませたものです。ネガフィルムならば、ある程度プリントで調整出来ましたので、やけに写りが悪い写真が出来たなぁっていう程度かもしれませんが、ポジフィルムを使うと致命的なミスになりました。

デジタルになって、露出の失敗も後からレタッチで修正できますので、大変便利になったのですが、矢張りレタッチをすると画質は損なわれます。

そんな背景もあって、ちゃんと写真が写る露出を「標準露出」って言ってました。難しい言葉の定義は別にして、どんな状況でもちゃんと写真が撮れる。人がちゃんと写っている写真を撮ることが出来る。こういう技術をまず身につけてください。

それでは、カメラ内蔵の反射式露出計のお勉強です。

まずカメラのモードをマニュアル(M)にしてください。そのまま窓の外をみて、1/3が青空、2/3が地上となるようにカメラを向けてください。その状態で絞りとシャッタースピードを調節して露出インジケーターの真ん中に針が来るようにしてください。これがカメラの示す標準露出です。

その状態で空だけにカメラを向ければ2絞りぐらいオーバーの方向へ針が動きます。反対に地上の方に向けると1絞りぐらいアンダーの方向へ針が動きます。

太陽から降り注ぐ光の量、明るさは同じはずなのに、露出計の示す値は違ってしまいます。これは、反射式露出計は太陽の光が被写体に当たって、反射した光がレンズを通り、イメージセンサーに当たる位置(=実際にはファインダースクリーン上)での光の量、明るさを計っているからです。

すなわち被写体の光の反射率によって、計測した露出が違ってしまいます。

反射式露出計は、反射率18%のクレーカードを使った時に正しい露出を示すように作られていますので、反射率100%に近い白い板に向けると、光がたくさん当たっているものと勘違いして露出インジケーターの針がオーバーの方向へ振れていきます。一方、反射率が0%に近い黒の板に向けると、光がちょっとしか当たっていないものと勘違いして、針がアンダーの方向へ振れてしまいます。

試しにオートモードでそのまま白い壁や黒い壁を撮影してみてください。白い壁がグレーの壁に、真っ黒が暗めのグレーに写ると思います。

なお、18%という反射率は、色々な色が混じったときの標準の反射率だそうです。晴天順光の風景や団体写真がオートでも上手く写るのは、このような条件に一致しているからです。

話を元に戻しますが、被写体を見て、まず色を考えます。色々な色が混じっていれば良いですが、白とか赤とか単色に近い場合はその反射率を勘案して調整が必要です。

絞り優先(Av)やシャッタースピード優先(Tv)の場合は、白いものに向ける時はプラスに、黒いものに向けるときはマイナスに露出補正をかけるのが鉄則です。マニュアル(M)のときも同様に、白いものに向けるときは針がオーバー側に、黒いものに向けるときはアンダー側に針が向いていることを確認しましょう。

カメラや測光方式によって違いますが、プラスマイナス1絞りから1絞り半程度の補正量で十分だと思います。

大雑把に言って、深みのある青や赤、紫はアンダー、明るい青や少し濃い緑はそのまま、明るい緑や黄色、オレンジはオーバーってイメージでしょうか。色は色々な明るさがあって難しいです。

色々試行錯誤して慣れれば、それなりの勘が働いてきますが、どの程度補正するかは厄介なもの。私もここぞって言うときは、試し撮りをして露出を決めます。これがデジタルの良いところですね。

なお、もう少し簡便な露出補正量の決定方法を紹介しておきます。自分で身の回りのものを使って自分なりの基準を作ると楽です。

1.手の平で計ってプラス1絞りを標準とする。(人によって違いがあります。自分で決めてください。)
2.青空の一番青いところを計って、プラス1絞りとする。(青空によって違います。)
3.千里川土手の防音壁を18%反射率グレーカードとして露出を決定する。
4.JALの機体の白に合わせてプラス1絞り半とする。

ちなみに、入射式露出計っていうのもあって、写真屋さんが白い半球のついた機械で計っているものですが、これはその場所での太陽からの光の量をそのまま計ります。ですから、それに合わせれば間違いなく標準露出が得られますが、やはり弱点も存在します。

1.計った場所での露出ですから、被写体のある場所と撮影場所の明るさに差異があるときは使えない。
2.レンズを通さないで計りますので、レンズに応じて補正が必要です。(レンズ枚数の多いズームは注意。)
  またPLフィルター使用時やマクロ撮影時には露出倍数がかかっていますので、さらに補正が必要です。

一時期入射式露出計の購入を考えたこともありましたが、結局カメラ内蔵の露出計を十分使いこなすことができましたので今は必要性を感じないです。